考えられる原因は、変形性膝関節症、関節リウマチ、半月板損傷、骨腫瘍、痛風などがあります。
■膝を伸ばした時の痛み以外の特徴(原因別)
1 変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、60代以降の人に多い代表的な関節疾患です。膝関節の軟骨がすり減ることで、炎症を起こし膝に痛みが生じます。進行すると歩行や階段の上り下りなど、日常動作が困難な状態になることも。病状が進行する前に早期発見、治療を受けることが重要です。
伸ばした時の痛み以外で以下のような症状があれば、変形性膝関節症の可能性があります。
- 膝の違和感がよくある
- 動き初めの痛み、階段昇降での痛みがある
- 正座ができない
- よく膝に水がたまって腫れる
- しゃがめない
- 膝の曲げ伸ばしがしにくい
- 膝の見た目が変形している
- 膝の中で音がゴリゴリ、ミシミシ鳴るなど
2 関節リウマチ
関節リウマチとは、免疫の異常により関節に炎症が起こる疾患です。激しい痛みや腫れ、発熱などの症状があります。進行すると、軟骨や骨が破壊され、関節が変形して動かなくなることも。関節リウマチの症状には以下のような特徴があるため、当てはまる方は早めに診察を受けるようにしましょう。
- 朝に手のこわばりがある
- 腫れや痛みがあり、それが手などさまざまな関節にでている(初期は1か所の関節のときもあり)など
3 骨腫瘍
骨に発生する腫瘍で、膝を伸ばしたり動かすと痛みや腫れが生じます。骨腫瘍には悪性と良性に分類されます。ほとんどの場合は良性ですが、悪性の場合は骨に転移する恐れがあります。
以下の症状がないか確認してみましょう。
- ケガをしていないのに膝の痛みや腫れが続いている
- 骨折を繰り返しているなど
4 痛風
膝関節や足の指、手関節などが突然激痛に見舞われる痛風。プリン体が多く含まれる高カロリーな食事やアルコール飲料を摂り過ぎることで起こりやすく、男性に多い病気として知られています。2~3日ほど歩けないほどの痛みが続きますが、徐々に緩和されることがほとんどです。心当たりがある方は、以下の症状がないかも確認してみましょう。
- 突然膝が痛くなり、赤くなる
- 足の親指の付け根が痛くなる
- 耳に結節(直径1cm以上のふくらみ)ができる
- 尿路結石ができるなど
5 半月板損傷
半月板とは、膝関節の内側と外側に存在する線維軟骨です。その半月板に何らかの衝撃がかかると、炎症を起こして痛みを感じるようになります。
加齢やスポーツ中の怪我が原因となることが多い疾患です。加齢による発症の場合、変形性膝関節症に発展する可能性もあるため注意が必要です。
- 膝の曲げ伸ばしのときに引っ掛かり感がある
- 膝が急に動かなくなることがある(ロッキング)など
膝を伸ばした際に痛みが続く場合は、原因を特定し早期に治療を受けることをおすすめします。
当院では、痛みの原因や膝関節の状態を把握し、治療法を診断するMRIひざ診断を受け付けております。
ひざの痛みでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。